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山野草【東洋ランの年間作業工程】


一般事項

試行/結果

作業工程

病害虫対策

育成日記
東洋ランの年間作業工程
作業月 育てる場所 育成温度
[℃]
潅水 施肥 病・害虫対策 その他
1月 気温が3度以下の
場合は室内に移す。
5〜25
(室内)
出来るだけ当てる 乾いたら
午前中にやる。
室温で高温に注意
2月 1月と同じ 同上 同上 同上 ダニに注意
3月 花が咲き出します。
室内で鑑賞。
同上 遮光し、直接光に
当てないこと。
花が咲き出したら
水遣りは慎重に。
月2回程度
薄い肥料
ダニ・アブラムシ
に注意
4月 室外でもOK。
花が咲いている間は室内。
冷え込む時が
あるので注意
同上 同上
同上 同上
5月 戸外栽培に移行する。 自然のまま 日除けを行う 乾いたら潅水 同上 ダイセン・マラソン等を
散布(1回/月)
6月 梅雨にさらしてもOK 同上 同上 同上 同上 同上
7月 日陰で風通しの
良いところに置く。
同上 同上 同上 同上 同上
8月 同上 同上 同上 同上
9月 同上 同上 同上 同上 ダイセン・マラソン等を
散布(1回/月)
10月 9月と同じ。
植え返したものは
強日光に注意。
同上 同上 同上
11月 日陰で風通しの良い
ところへ置く。
同上 十分に当てる 同上
12月 気温が3度以下の
場合は室内へ移す。
5〜25
(室内)
同上 同上

育成テクニック
潅 水
  1. ラン科の植物は根が太いので保水機能があり、空気との接触を好みます。 
    理想的な鉢内湿度は60%前後と言われており、水遣りを1日忘れたからと言って慌てる必要はありません(逆に水を遣り過ぎる方が問題です)。
  2. 上記作業工程の潅水のところで、『乾いたら潅水』と記載してありますが、鉢の種類・サイズと、用土の種類・配合、地域環境、天候状態により、乾くまでの日数が全く異なることをご理解頂きたい。 従って、何日に1回程度潅水と書けないところがあります。 潅水はある程度の経験と感が必要になることは違いありません。 提案ですが、十分に潅水した時の鉢全体の重量と、乾いたときの鉢の重量を実際に持ち上げて乾き具合を体感で覚えることをお勧めします。
  3. 潅水には腰水法と言って、ジョウロで潅水するのでは無く、水を十分に張ったバケツの中に鉢ごと沈めて潅水する方法があります。 夏場は非常に効果的で、しっかりと潅水する意味からこれを推奨します。
  4. 葉水も定期的に行うことを推奨します(葉水とは霧吹き等で葉全体に水分をやることです)。
肥料やり
  1. 初心者は肥料やりは水遣りと同様に難しいものです。 初めて東洋ラン(春ラン等)を育てる方は、まず無肥料で育てて下さい。 十分に育ちます。
    各種文献によれば、東洋ラン(春ラン等)への肥料は有機質肥料を優先し、化学肥料の使用は極力避けた方が良いとの事です。
  2. 肥料は「油粕を使った液体肥料」を自分で作ることをお勧め。
    作り方は簡単!「油粕」は園芸店等で購入出来ますので、その粉をペットボトル等に入れ(底から1センチ〜2センチ程度)、水を9分目程度入れキャップを閉めて1〜2ヶ月程度そのままにして置きます。 出来あがった液肥は「上澄み」だけを取り出して真水でさらに100〜300倍程度に希釈して潅水代わりに与えます。
  3. 油粕等が入手できない場合、市販の化学肥料(ハイポネックス)を使うことになりますが、その場合、説明書に指定の希釈数の更に5〜10倍程度薄めて使用されることを希望します。
育てる場所
  1. 東洋ランは、もともと日本の風土に適した植物です。
    自生の場合は、自然の環境下で四季の流れに逆らわず育っております。 彼らは何千年、何百年と長期にわたってその土地の特性に合わせて順応・進化したため、自然の気象下で健全に育つことが出来るのです。
  2. 人為的に育てる場合、日照・温湿度条件は自然環境下に比べ劣悪にならざるを得ません。モノ言わぬ東洋ランの要求に応えるべく条件は、育成に何代も渡って築いた先人のノウハウは必要ですが、自然の生育状態を知ることも重要です。
  3. 私が見つけた自然界で育つ東洋ランの生育状況を、以下にまとめましたので参考にしてください。
    • ・温度、湿度は自然任せです(真冬は霜が降ります)。
      ・木の根の回りにまとわりつくように生えていました。
      ・水はけが非常に良好です。
      ・用土は普通の黒土です。
      ・年間を通じて午前中だけ日が当たる場所です。
      ・常に風通しの良い場所です。
植え替え 定期的に(1〜2年毎)植え替えが必要になります。 鉢の大きさや根の張り具合にもよりますが、基本は1年後です。
詳細は左側の「植え替え」をクリックして見てください。
日除け
  1. 東洋ラン(春ラン)は太陽光に直接さらすと花の色や葉(覆輪は特に)の色が褪せてしまいます。
    基本的には半日陰で育成するのが理想で、願わくば朝日の当たる場所が最適です(西日の当たる場所での育成は注意してください)。
  2. 1年を通じて日除け対策が必要となりますので、ヨシズ・スダレ等の準備と置き場所の工夫を考えなくてはなりません。 市販の日除けを日曜大工等で工夫して見てください。
風通し 元々、春ランは山野において常に風に吹かれて育っています。 人工的な場所での育成には幾つかの課題があり、風通しの問題が生じます。 
風が吹くと過剰な鉢内の湿度を下げる効果があります。 特に夏場は風の流れに気を配った置き場所の選定を行う等対策を講じてください。
うまく花を
咲かせるコツ
夏場(およそ7/30〜8/15日の間になりますが)、連続1週間程度絶対に水をやらないこと。

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