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山野草【東洋ラン(春ラン)の植え替え方】

東洋ラン(春ラン)の植え替え手順
一般的に東洋ラン(春ラン等)の植え替えは花もの場合、花が咲き終わってから行います。
植え替えに先立ち、新しい鉢、用土等を用意しておきます。 今回、用土は市販の東洋蘭専用用土と、底土(ゴロ土)を使うことにしました。  
自分で各種用土を混合して作るのも手ですが、市販のものを利用するのも合理的です。
市販東洋蘭の培養土
今回試用して見ることにした東洋ラン専用用土です。
東洋ランの世界で一般的に使用される用土の他に、予め根腐れ防止剤等が混合されているのが特徴です。

初心者に取りまして調土(配合)は難しい上に面倒なところがありますが、本用土を使うことにより手軽に植え替えが出来るところが嬉しいところです。 上級者にもお勧めかな?と思っているところです。 

■ポイント■
軽石、焼き赤玉土、セラミック、赤玉土、富士砂が主な用土構成になっております。
(メーカ:株式会社 東商 静岡県焼津市 市販価格450円/2L)

この用土の他に、鉢底に敷くゴロ土も別途用意しておいてください。





培養鉢とフィルターの写真
培養鉢には予め、鉢底の水抜き穴には害虫が侵入しにくいように銅製のさな(フィルタ)を敷きます。 このフィルターは、必ずしも銅製ではなくても構いません。  

銅製にこだわった理由は、銅イオンが害虫(ナメクジ等)を寄せ付けないためです。  フィルタ装着後、鉢底に1cm四方くらいの底土(ゴロ土とも言う)を、鉢の深さにもよりますが、5〜7cmくらい敷き詰めておきます。

■ポイント■
さなは左写真に示しますように市販品の銅で出来たものの他に、鉢と同じ素焼製で丸いものがあります。
手元に不用となった素焼鉢がありましたら、それをハンマー等で適当な大きさに割って鉢カケとし培養鉢の底に敷く方法もあります。

ウィルス感染対策のため、使い回しで鉢を使う場合、熱湯消毒することを推奨いたします。




植替え前の鉢に植わった状態の春蘭の写真
植え替え前の鉢から春ランの苗を抜き取りますが次の順で作業してください。

最初軽く鉢の周囲を拳で叩いて用土全体を緩ませる必要が有ります。 次に左手で苗の根元を掴んだままで、鉢を傾けるか、ひっくり返してください。 表面の用土が落ちて春ランの白くて太い根が現れて来ます。 通常、この状態で苗が引き抜けますが場合によっては、根は長期培養で鉢の表面にへばりついて簡単に抜けない場合があるかも知れません。

再び、鉢の周辺を拳で叩いて、根を鉢内壁から分離させてください。 鉢から苗を抜きますが、白い根が四方に張り巡らされておりますので取扱いに注意して下さい。

■ポイント■
春ランの根の扱いは慎重に行ってください。




春蘭の根の写真
鉢から取り出した苗と、根の状態です。  
根は白いものが活発に生きている証拠です。 黒ずんだり茶色になった根は痛んだもので、病気の発生原因にもなりますので、全て切除することになります。

■ポイント■
根の状態を良く観察しましょう。




春蘭の根の拡大写真
春ランの根の状態を細かく観察してください。
バルブ(球根)がいくつ出来ていて、白い根が何本あるか? 新芽白く尖った形で昨年のバルブの真横に出来ているはずです。

次の項目で古いバルブや、痛んだ根を切除する作業に入ります。

■ポイント■
株に対するバルブは、太く、多いほど良い苗であります。 また、根は白くみずみずしいものが多いほど元気な苗の証拠です。




バルブ、根の切除写真
古いバルブ(球根)と、痛んだ根の切除に当たり、良く切れる剪定ばさみやナイフを用意してください。 その際、剪定ばさみ等の刃の表面に他の草花等の切り屑が付着していないかチェックしてください。 刃の表面に切り屑が付いていたりすると細菌等が増殖している可能性があります。 万一に備え、はさみの熱湯消毒等を施しておくことを推奨いたします。

写真は、全ての切除作業が終わった状態です。

■ポイント■
刃物の熱湯消毒実施。
刃物で切除作業する際は、近くのバルブや、他の根を傷つけたり誤って切除しなように慎重に行ってください。




新しい鉢への植込み写真
新しい鉢に苗を移し変える場合、新芽が出ている方向がなるべく広くなるように配置を考えて仮置きします。 
根や新芽を痛めないようにゴロ土の上で根を広げます。 苗の植付け高さは、専用用土(培養土)を入れた時に、バルブ(球根)表面が専用用土から顔を出すことを前提に設定します。

■ポイント■
用意した植替鉢の大きさにもよりますが、根の状態によっては、うまく配置できない場合があります。 その場合は、途中の根を剪定して新しい鉢にフィットするように何度か調整して見てください。根は多少の乾燥にも耐えますので慌てずに作業を行うことです。

新芽が出る方向は、必ず広くあける。




植替完了の写真
用土を根と根の隙間に入れますが、バルブ(球根)が必ず用土表面から見えるように注意を払って下さい。 白い根だけが用土に隠れることを念頭に入れて作業を行うと良い結果になります。 写真は全て完了状態になったもので、水をたっぷり与え、植え替え後数日間(約1週間)は、強い直射光線が当たらぬよう置き場所に注意が必要です。

■ポイント■
バルブは必ず用土の上に出ていること。
植え替え後は、直射日光に当てずヨシズ・スダレ等で半日陰になるように。
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